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おきらくゴク楽自己くんれん

その29 2023年 フィールドデーコンテスト遠征参戦
軽トラモバイルシャックが海を越える

JF3LCH 永井博雄

2023年9月1日掲載

皆さん、こんにちは。先月号では6m AND DOWNコンテストの事を書きました。それから約1ヶ月後に行われるフィールドデーコンテスト。今度はモバイルシャックの利点の一つである「機動力」を生かすためにエリアを越えての参戦を試してみたくなりました。


愛媛県に遠征

1. 運用地の設定

遠征をしたかった理由の一つですが、私が目指している全都道府県での移動運用の未運用県を減らすことです。本連載「その24」で一気に3県での移動運用を実施しての残りの未運用県が愛媛県・佐賀県・長崎県の3県を残すのみとなっています。そこでこの機会に思い切って愛媛県での移動運用で参加することにしました。またいつもと違うエリアから参戦することで入賞することができる可能性が高くすることも狙いの一つです。6m AND DOWNではモノバンドながらガツガツと挑みましたので緩和が必要だと自分に言い聞かせました(笑)

そうとなれば楽しく運用できそうな場所をマップで探します。飛びさえよければVHFやUHFでは地域入賞しやすいことも狙いです。これも時々遠征参戦局が重なったり地元局のガチ参加があったりして思惑通りにいかないことも良くあるので他にいくつかの選択肢も考えておきます。

そうして決めた1000mを超える高原までは360kmを超える移動距離となりました。それにそんな長距離を走った後コンテストに参加するには体力に自信がありませんので、今回は神戸-高松航路のジャンボフェリーを利用して自身と軽トラの体力の温存を図ることにします。このフェリーを利用することにより100km以上の走行距離の節減と長時間運転によるリスクを低減することができます。

2. 遠征に出発


日が昇る前に出発

8/5(土)朝。先月の6m AND DOWNからシャックは載せたままなので、今回必要になりそうな機材を積んで準備をしておきます。参加する部門により用意するアンテナが変わるのですが今回は地方参戦と言うことがあったので少々手抜きの準備となりました。

神戸港に朝8:30出港の便に間に合うように夜明け前に家を出ます。我が家からは約2時間の道のりです。


船に乗り込むのを待つ

早い出発のおかげで8:30の便で車の乗りこみ2番手となりました。


今日もいいお天気!?

この日神戸は大変いいお天気でしたが近づく台風の影響で昼から下り坂になる予報でした。とはいえ神戸では雨が強くなることはないようでした。しかし現地は少しばかり台風の近くとなるので心配が残りますが大したことはないだろうとそれほど深刻には考えていませんでした。これが今回最大の思い違いでした(汗)


モバイルシャックとは暫しのお別れ


追加の料金でちょっと贅沢な気分

初めてのジャンボフェリーでよくわからないままネット予約がお得というのでスイスイと手続きを進めて行くと何だか「プレミアム席」なる席をとってしまっていましたがこれは正解でした。船も新造船で景色のいい高級なシートで船内は少し贅沢気分で快適に過ごすことができました。

予定通り13:10に香川県の高松港に到着。ここから食料を購入して160km先にある愛媛県の高原に向かいました。夕方には到着して準備する時間も確保できそうな感じです。

3. 明確な狙いのないまま運用の準備

高速道路を使い西の方に向かい、高速道路を降りてから山道にはいるとだんだん雲が多くなり、ついには霧雨状態の中ひたすら上り続けます。台風からの風が山に当たり雨を降らせているようです。しかもそれはコンテスト終了まで変わることはないような感じでした。晴れていれば絶景が望める場所なのにとても残念です。

ひたすら道を登り続け予定していた愛媛県西条市に到着しました。お天気が悪いので私以外に人の気配はありませんでした。この地域はそれぞれエリア違う四国北部・九州北部・山陽地域のエリアが瀬戸内海を挟んでつながりやすそうで1・2・3エリア程の局数はないものの、VHF以上で色々面白い伝搬を楽しめるのではないかと期待していました。高い所から出ることができればかなりの地域の局と交信することができそうでそれなりにコンテストも楽しめるだろうと。

その他の選択肢としてHFハイバンドを考えていました。毎年このコンテストでは6エリアの局が有利ですが、比較的6エリアに近いこの場所ならコンディション次第では結構楽しめるかもと考えていました。144/430MHzのアンテナと14MHz逆Vダイポールを上げることにしました。いつも使う430MHzの8段コーリニアアンテナを積んでいないことにこの時点で気が付きました(汗)


14MHzにも対応したギボシ式逆Vダイポール

HFアンテナはアオリを立てた上に乗せた6m伸縮ポールであげました。雨が弱くなる時間帯にささっと作業を進めます。こういう時は跳ね上げ式出入口扉の下では濡れることが無いのはありがたいことだと痛感しました。

電源はいつものリチウムイオン電池で前回と同じです。容量は合計で2,554Whとなっています。12.8V/100Ah+50Ah+30Ah+BL-50TX(250Wh)となります。室内照明・換気扇・ノートPCの充電もこのバッテリー群から供給します。結果的に交信局数が少なかったのでこんなにも容量は必要ありませんでした。


忘れ物で仕方なくモービルホイップを使用

無線機はいつものIC-7300MとIC-9700のコンビ。準備ができた後はシャック内でマッタリと時間が来るまで過ごしました。

4. コンテストがスタート

いよいよコンテストがスタートします。初めは14MHzをから始めました。6エリアの局がCQを出していましたがコンディションが良くないので誰からも呼ばれません。結局私と交信しただけでしばらくしたらQSYしてしまいました。せっかく容易したアンテナですがこのバンドでの参加はあきらめる事にしてV、UHFバンドにQSYしていきます。

予想通り海を挟んだエリアでのラグチューが聞こえます。しかしコンテスト参加局はそういないようです。そんな中でもCQを出すとポツポツと呼んでいただけるので退屈ではありますが、色々なエリアと繋がることができそれなりに楽しむことができました。今日はこんなお天気ですが雨が酷いのはここだけのようですから、夜が明けたら沢山移動局が出てきてくれることを祈って休むことにしました。

5. 翌日も悪天候が続く

夜が明けてCQを出してみると昨夜は聞こえていなかった局が聞こえてきます。早速交信していただき、さらに新しい局が出現するのを待ちます。それなりに交信を重ねていくと全然伸びなくなるので釣り竿バーチカル+AH-730を使い各バンドで知っている局を探したりしましたが、コンディションが悪いこともあってあまり見つけることができませんでした。


自作専用ハシゴはタイヤにかけても使えることがわかった

430MHzバンド内で聞く感じでは、5エリアで同じ部門で参加している局は少ないようでした。特に注意が必要な徳島県からの同部門参加局はいないようです。徳島県の移動局は京阪神地区と交信しやすく、交信局数が多くなるので要注意でしたが幸い参加がなかったようです。

遠くまで来たのですが、翌日の仕事のことなどを考えてお昼までの運用で現地を後にすることにしました。帰りもフェリーを使うかどうか悩みましたが便の時間が微妙なこと、予算的に厳しいこと、軽トラの調子も悪くないようなので、帰りは高速道路オンリーで淡路島を経由して帰ることにしました。

6. まとめ

この時期の移動運用のため暑さ対策で高原地域に移動したこともありますが、台風の影響で天気が悪く湿度は高かったものの暑さに悩まされることはありませんでした。

参加した感じでは同エリアに個人局430MHz電信電話部門のエントリーでエリア入賞ができるかどうか、という感じでコンテストを終えることができました。

今回、愛媛県での運用を実施できたので、残る未運用県は佐賀県と長崎県のみとなりました。この隣同士の県は一気に移動運用して全都道府県移動を達成したいと考えています。次回の遠征はこれで決まりかなと思っています。

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