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ぴよぴよラヂヲ@婦人部

第弐拾五章 花の国からのメッセージ

JJ1TZX・KK7GEX Mammie

2023年10月2日掲載


今日で、私がこの連載を書き始めて丸2年になりました。

ひょんなことから私がこの連載を書くことになったのですが、2年間毎月、何かしらの話題に恵まれて、執筆活動が出来ることに周りの仲間や私をとりまく環境に感謝せざるをえません。毎月お読みいただいている読者の皆様、そして私の活動を支えて下さる周りのお仲間に感謝しています。3年目も毎月頑張って書いて行きますので、今までと変わらず、どうぞよろしくお願いいたします。

一本の電話

8月16日、私は送り盆のため午前中からバタバタと娘と一緒に母の眠るお墓参りに向かいました。家からは車で片道20分、近いお墓参りだと思います。母が亡くなってから15年経ちますが、月命日、春と秋のお彼岸、迎え盆、送り盆、年末年始と年間18回もお墓参りに行くほど、私と母の繋がりは深いものでした。

家で娘とのんびりしていたときに私のスマホが鳴りました。あまりかかってくることがないのですが、誰だろうと出てみたところ、無線でお世話になっているOMさんからでした。

何かあったんだろうか、どうしたんだろうと話を聞いてみると、昔からの仲良しのお友達が無線の上級資格を取得するために、2級のeラーニングを始められるとのこと、パソコンでのやり方でわからないところがあって、それを私に教えてもらえないかとのお話でした。私でお役に立てる内容であれば是非とお話して、近日中にそちらのお宅に伺うことになりました。

夜桜の記憶~桜の観音さま

OMさんのお友達のお宅へ訪問が決まったのですが、場所を聞かなければと思い、聞いてみると、「〇〇区の〇〇町なんだけど、駅だと〇〇駅」、「あ、大体わかります」、「〇〇寺の住職です」と言われて、なんか聞き覚えがあるお寺の名前・・・、私の頭に中はぐるぐると回り始めました。「もしかして、桜のトンネルがあって、その奥に観音様があるお寺じゃないですか」、「そうそう、そのお寺」それを聞いた時、私は鳥肌が立っていました。

母が元気だった頃、一度だけ連れて行ってもらった、母の大好きな場所がなんとそのお寺でした。母と行ったときは、夜桜がキレイで幻想的な世界だったことを覚えています。

それから、何年かして母が亡くなったのですが、母が私宛に残した一冊のノートがあります。自分が亡くなってから開けるようにと缶の中に入れて、ガムテープでぐるぐる巻きにされていたものを開けると1冊のノートが入っていました。

「私が花の国に行ったら、開けてください」と書いたノートでした。その中に袋とじにしたページがあり、開いてみると、その中には「〇〇寺」とお寺の名前と戒名に入れてほしい文字と思われる漢字一文字が書いてありました。

私は、きっと母がそのお寺に眠りたいんだとすぐに理解し、お墓探しをするときに、1番に訪ね話を聞きましたが宗派が違い、母を希望の場所に眠らせてあげることが出来ず、悔しい思いをしたことが思い出されました。

母が言いたかったこと

そのお寺には、母が仲良くしていた知り合いの方も眠っていて、私のことも良く知っていて、お世話になった方でした。私が高校時代に進路で悩んでいた時に、「声を使う仕事をしたらいいのに」と言ってくれた方です。テレビ局関係の方だったので、私にアナウンサーを勧めたかったと後から聞きました。

アナウンサーになるには苦手な英語も受験科目にあったので、その時は「いやいや無理無理」とあまり本気にしませんでしたが、今思えばポッドキャスト配信でマイクを持ち、話していることを考えたらこれも何か呼ぶものがあったのかなと思います。

そんな縁のあるお寺の住職さんとお会いできるとあって、私にはこれは絶対に母が花の国から電波を飛ばしてるに違いないと思ったのでした。

住職さんとアイボール

8月19日のハムフェア会場で、私のいたブースにOMさんと一緒に住職さんが訪ねてきてくださいました。大混雑で人だらけのハムフェア会場の中だったので、ほんとに短時間のご挨拶で終わり、そのあと、お寺を訪ねました。

着いて間もなく、住職さんが「外をご案内しますね」と言ってくださったので、外に出てみると、「あの奥に見えるタワーが・・・」、「屋根の上のポールが・・・」と、お寺の案内をして下さるのかと思いきや、アンテナの案内でした(笑)。


そのあとに、お寺の案内もしていただきましたが、池には、鯉や1mにもなる大きな魚が泳ぎ、手入れの行き届いた庭を散歩させていただきました。

本題のeラーニングのやり方も私が受けた時からも時間が経っていたので、覚えていない部分もあったのですが、なんとか一緒にパソコンを見ながら出来たのでホッとしました。私のつたない説明でお役に立てたかなと思っていますが、是非頑張って合格出来るように、微力ですがこれからもお手伝いしていきたいと思っています。

昔昔の局名録や懐かしい免許を見せていただいたり、丸一日すっかり話し込んで仲良くなり帰宅しました。美味しいごちそうもいただき、大満足の日となりました。

そして9月16日、私の昭和歌謡バンドMammie Triangleのライブが横浜でありました。その会場には、桜のお寺の住職さんご夫妻が素敵な花束を持って駆け付けてくださいました。母が花の国から飛ばした私しか受信できない電波、こんな素敵な出会いにつなげてくれました。

帰宅した私は、素敵な花束を持って家の中をウロウロ。母も花が好きで良く「どこに飾ろうかな」と楽しそうにウロウロしていた光景が私にも・・・(笑)


私の心の中で、母の眠りたかった場所に行かせてあげられなかったことはずっと気がかりでしたが、今日少し肩の荷がおりた、そんな気分になりました。いつまでも花の国から強力な電波を送ってくれる母は、私の一番の理解者であり、憧れの存在です。そんな母に見守られながら、これからも楽しい趣味、音楽活動とアマチュア無線を楽しんでいきます。

まだまだ、暑さも侮れませんしコロナやインフルエンザも流行って来ていますので、くれぐれも気を付けてお過ごしください。また来月号をお楽しみに。

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