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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第79回 湘南工科大学アマチュア無線部(JN1YQU)の皆さん

2026年6月15日掲載

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

●耐雷研究センター
次はキャンパスの一番奥、7号館の「耐雷研究センター」を案内していただきました。

中に入ると、高い天井から吊り下げられたたくさんの碍子、床に立っている太い碍子と謎の金属球があり、あちこちに「危険」という看板が立っていて、ものものしさを感じます。これは人工的に雷を発生させる実験施設で、日本の大学で持っているところは数えるほどしかないという本格的な設備だそうです。


7号館の耐雷研究センターを見学! 成田先生に説明していただきました

担当の成田先生(工学部 電気電子工学科、大学院 工学研究科 電気情報工学専攻)に伺ったら、この施設を使って、落雷が電力系統に与える現象や、電気設備を落雷から守るための研究を行っているそうです。

「残念ながら、今日は装置を動かす担当者が不在なので、Masacoさんに落雷をお見せすることができませんが・・・」というお話でしたが、実は私、雷が大の苦手なので・・・、ちょっとホッとしたのは内緒の話です!?


落雷の実験装置。天井から吊された大きな碍子と、床に立つたくさんの碍子がただならぬ雰囲気です

●落雷位置標定システムと観測装置
成田先生はもう一つ、落雷に関する取り組みを行っていらっしゃるということで、そのまま研究室にお邪魔しました。見せていただいたのは30cm四方ぐらいのプラスチック製の箱。その中に基板が入るようになっていて、外には短くて太いアンテナが付くのだそうです。


落雷位置標定システムの機器類を収容するボックスです


落雷で発生する電磁波をキャッチするためのアンテナ

--成田先生、これはなんですか?

「落雷位置標定システム(LLS)」の観測装置です。ドイツのアマチュア無線家によって始まった落雷位置標定システム「Blitzortung.org(ブリッツ)」のプロジェクトで使えるように設計したもので、ICT技術を活用した小型で高性能、しかも安価な雷センサーやGPSなどを搭載しています。


落雷位置標定システムの基板。右は正確な時間を計測するためのGPSレシーバーです

--雷はアマチュア無線家の大敵です! どうやって落雷があった位置を特定しているのですか?

「落雷があると電磁波が発生するので、それをセンサーで感知して、同時にGPSで正確な時刻を測定します。その電磁波がほかの観測装置に伝わるまでには時間差があるので、そこから雷が落ちた位置や落雷の規模を標定しています」

--落雷があると、ラジオや無線機からバリバリという雑音が聞こえますよね。あれを利用しているのですか!

「そうです。落雷センサーが感知したデータはネットワーク経由で送られて解析され、すぐにWebサイト上の地図に表示される仕組みです」

--今どこで落雷が発生しているか、一般の人もWebサイトで見ることができるのかしら?

「もちろん、誰でも無料で見ることができます。ぜひアマチュア無線家の皆さんも役立ててください」(※URLは https://map.blitzortung.org/)


今、世界中のどこで落雷が発生しているかがリアルタイムでわかるサイトの画面例。誰でも無料で見ることができます

--全国に観測装置はどれぐらいあるのですか?

「湘南工科大学が設置したものだけで、日本国内61局、海外はアジア圏を中心に21局あります。ほかにも世界各国の大学や個人ボランティアなどが設置した装置が稼働しています」

ちなみに成田先生は、こうした落雷観測の研究で2016年から2025年まで7回「気象文化大賞」を受賞しているほか、2017年には「第12回日本版イグノーベル賞」の落雷観測賞を受賞したそうです!!

次ページは「いよいよアマチュア無線部の無線室を訪問!」

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