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おきらくゴク楽自己くんれん

その15 軽トラック荷台に載せる移動運用シャックを作る-2

JF3LCH 永井博雄

皆さん、こんにちは。先月から作り始めた軽トラック荷台に載せる移動運用シャック。先月は土台と床部分を作るまででした。床下に伸縮ポールなどを収納するスペースを作ったのは我ながら良いアイデアだと思います。これまではトラックの荷台上だけで出来る作業でしたので今後の作業方法をあまり深く考える必要はありませんでした。しかし、これからは使い勝手に大きく影響していく内容をたくさん検討し進めていくため、作業環境が進み具合に大きく影響していくことが予想されます。


このままシートをして屋外保管

完成した床部土台は暫くの間トラックの荷台に載せたまま二重にブルーシートをかぶせて保管していました。ところが何回か雨が降りそのあと中を確認してみると、床面の何ヶ所かに水が染みた跡があり変色してしまっていました。強風でシートの一部がめくれたり防水が劣化している部分から雨水がしみ込んでいたようです。乾けばわからなくなるだろうと日に当ててみましたが消えることはありませんでした。よく見ると一部分にカビのような黒い斑点も見つかりました。なにより木材は何の保護もしていませんからシミやカビが非常に発生しやすい状態です。

1. 引き続きの作業


床下収納部

先月ポール類床下収納の仕組みを作っておきましたが、フタとなる板をあけるにはマイナスドライバーが必要な状態です。家庭の床下収納をあける取手と同種のものを開閉板に取り付ようと探してみました。すると超大手ネット通販での検索で見つけることができ、500円以下で購入しました。


普段はフラットな状態

これを取り付けるには、写真右の丸くなっている押し込む部分とそれにつながる取手が通る細長い穴をあければよいので、太いドリルと細いノコギリを使って穴をあけ取り付けることができました。

2. 塗装をするには?

この作業は屋外で行っています。雨が続くとドンドン床部分が濡れて変色し汚れてしまいます。とりあえず保護を目的とする塗装をすることにしました。初めは土台部分は見えなくなる予定で塗装までしなくてもよいと思っていました。完成後はシートをかけて雨がかからないようにして保管する予定です。軽トラック自身も中古で古く十年とか長く使うつもりではないですが、使用中に雨が降った時は長時間荷台底の水に触れるわけですから、短期間で劣化することが考えられますので対策をしておかないとまずいことになると思いました。

考えてみると荷台に置いたままでは塗装作業は出来ません。それとこのシャックを完成させた後、トラックに載せたり降ろしたりができる仕組みを作っておく必要があります。この際ですからその方法について検討して試行錯誤しながら搭載方法を確立することが必要です。

3. 載せ降ろしシステムの構築

今回のチャレンジと同じように自作キャンプ用シェルをトラックに載せている皆さんはこの問題で苦労をされているようです。中には太いパイプをシェル下部で貫通させて、高さ調整をしながら地面から荷台まで上下されているようです。しかし荷台から少し上げてトラックを移動させて、その高さのままでシェルを支持すればいいのではないか? ということで「シェルフローティングシステム」を思いつきました。少し大げさですかね(笑)

幸いなことに我が家には、バイクに乗っていた10年ほど前に足場パイプとポリカ波板で作った雨除けスペースがあり、今回の移動運用シャックもここに保管しておく予定にしていました。ここの足場パイプと荷締め用ベルトを使い簡単に積載物を載せ降ろしが出来るのではないかと考えやってみました。


バイク用に作った雨除けスペース(設営当時)

この雨よけスぺースの上部で柱とつないでいる横パイプにトラック荷締め用のラチェットバンドを引掛けて、ラチェットバンドで引っ張り上げてその高さでトラック荷台の高さ(約640mm)に合わせた高さの足を四隅に敷いてラチェットを開放して降ろすという方法です。そのためにまず土台床部に吊りフックを掛けることが出来るようにします。

四隅に普段は12mmのボルトを忍ばせ、載せ降ろし時に引出せるようにして取り付けました。移動運用シャックの重さは200kg以下にする予定です。荷物等を含んでも250kgくらいにしかならないので12mmのボルト4本であれば十分浮かせることは出来るでしょう。なにも足場パイプを貫通させるような苦労は必要ありません。ボルトの引出し量は外壁を取り付けた後で最終調整します。このままではボルトが出過ぎていて吊りフックが外れてしまうことが心配です。


吊りフックの外れ止めに外径の大きなワッシャを使用

実際にこのボルトを荷締めバンドを使い土台を浮き上がらせて保護塗装の作業に入ります。今回は床だけですから簡単にトラック荷台から浮かすことができました。


吊り下げて塗装が出来る状態を確認

4. 塗装(土台床部)

ホームセンターの塗料コーナーで適した塗料を探します。沢山の種類の塗料がありどれにするかとても悩みましたが、一番安くて扱いやすそうな水性の木部保護塗料という名前のわかりやすいものにしました。また色は一番明るめのものを選択しました。


水性の木部保護塗料

説明書によると刷毛で塗って夏場は1-2時間した後に二度塗りを、と指示されていたのでその通りに実施しました。しかし何だか乾きが悪くてベタベタした手触りが残っています。床の板にも塗ってしまったのでこのままでは困りますが、いざとなれば何か床シートみたいな物を貼り付けようと思います。


半日ほどで土台床部の塗装を完了

5. 骨組みを取り付け

図面を書いて作れば間違いのないところですが、途中の心変わりや変更も重視して進めているこのプロジェクトですので、大体の方針と大きさだけで骨組みのアウトラインを決定しました。

まず骨組みに使う主な木材は、土台より上部は35mm×35mmの垂木と呼ばれる角材で組むことにしました。これは最近の木材高騰によるコストの削減と軽量化が目的です。当初、柱は2×4材を考えていましたが、大幅な価格上昇を知り予算が足らなくなることとそもそも全てに太い材料を使う必要があるのかと考えていました。そこで基本は35mm角で作ってみることにしました。強度が不足するかも知れませんが、実際の組んだ後に強度的に十分かどうか検討して、不足するようであれば補強を加えることにします。

軽トラック荷台は縦1940mm×横1410mmの限られたスペース。ゆえに大きく使うのであれば高さを求めたいところですが、組立後の積み降ろしに使うスペースの屋根の高さがあるので上の図の高さが限界と判断しました。本当はもう少しだけでも高くしたかったのですが仕方ありません。

前の部分には運転席から中の様子がうかがえる窓を設けます。助手席側の側面には明かり取り用として窓を予定。本当は作業が複雑になるので窓はない方がいいのですがそうはいきませんね。


接続部は出来るだけ頑丈に

上の写真上部に使っているL型金具はホームセンター価格がユニクロメッキで68円、下側に使っている金具は100円均一ショップで2個100円しかもステンレス製です。今後はコスパのいい100円均一ショップの物を補充していきます。


コスパがいいステンレスL型金具

昨今の円安の影響出てくる前に数は確保しておいた方がいいような気がします。このコストパフォーマンスは維持できなくなると想像します。

先の図のように組んでいき、後部に扉受け兼用として2×4材の柱を立てたところで、それまでフニャフニャしていた箱体が急にがっしりしました。やはり丈夫な土台だけでなくしっかりした柱が重要であることを再認識。ここまで組めたところで連日の作業で疲れも限界となりこの日の作業を終了しました。


組立作業を終了

6. 収納作業

梅雨の時期ですから保管中に必ず雨が降りますので、雨対策にシートをかぶせておきます。この作業は完成後も移動運用シャックを使用のたびに繰り返すことになるので、これからの訓練として挑みます。トラックから移動運用シャックを外し、台の上に載せ5.6m×3.5mのブルーシートをかぶせる作業です。


まずは荷締めベルト4本で荷台から少し浮かせ、車を移動させる


トラック荷台の高さに合わせた台に載せる

御覧のように狭い場所で慣れない作業でしたので、道具類を片付けてシートをかぶせるまで1時間近くかかってしまいました。いろいろコツのいる作業ですが、慣れれば30分かからずに収納出来るようになるのではないかと感じています。

7. 今月はここまで

梅雨のこの時期にこれだけの作業ができる天候に恵まれたことは幸運に思います。しかし作業中は大変コンディションが良く、一日も早くこれを使って移動運用に行きたい気持ちが増大します。作業中も心が勝手に移動運用スポットや災難だった某エリアに飛んで行ってしまい、心を呼び戻すのが大変でした。(笑)

これからは外壁を取付け・断熱材貼り・窓と扉と天井と進めていきたいと思っています。まだまだ数多くの問題が残っていますが、じっくり少しずつ検討を重ねながら進めていきたいと思っています。それでは続きはまた来月に。

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