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日本全国・移動運用記

第82回 北海道道央方面移動(後編)

JO2ASQ 清水祐樹

2022年も、4月末から5月初めの大型連休には北海道にフェリーで移動して、長期間の運用を行いました。その様子を2回に分けて紹介します。前号からの続きで、後編です。

6日目(5月3日): 広い平地で、サテライトの低いパスにも対応

前夜は札幌市内に宿泊しました。札幌市は10区あり、機会があれば一つでも多くの区で運用したいと考えていたところ、時間の都合で1か所しか行けなくなり、運用場所の確保が最も難しそうな中央区で運用しました。

周囲には高層の建物が立ち並び、南側だけ少し開けた場所での運用です。この程度であればHF帯の運用は大きな影響はありませんが、サテライト通信の運用では衛星からの信号が建物に遮られて聞こえない時間が長く、かなり苦戦しました。晴れた日の朝で、気温は実測で3℃、周囲に住宅等が多くアイドリングができないため、万全装備の防寒具で寒さに耐えながらの運用です。午前5時台には静かだったHF帯は、6時頃からノイズが増えてきました。おそらく、朝になって暖房の使用が増えたためノイズが発生したと思われます。

石狩市は市街地に近い公園で運用しました。天気は良く気温も次第に上がり、伝搬のコンディションに期待していたものの、18MHz帯や21MHz帯が少し聞こえた程度で、さらにひと伸び欲しいところです。

石狩郡新篠津村は、池のそばで運用しました。札幌市の中心部からは約30kmほどの距離がありながら、途中に山などが無いため、札幌市各局の信号が全バンドで強力に入感しました。

江別市は広い河川敷で運用しました(写真1)。周囲に建物は全く無いため、衛星からの信号は仰角がほぼ0度まで聞こえました。コンディションが上がってこないため、空が暗くなる前から3.5MHz帯と1.9MHz帯を運用し、ある程度の交信ができました。


写真1 江別市での運用の様子

7日目(5月4日): 激しい雨での運用、コンディションも上がらず

朝から風雨が強くなりました。視界が悪く目視で運用場所を探すことが難しい状況で、美唄市の公園に行ってみました。とりあえず駐車スペースは見つかったものの、道路の一部は冠水しており、アンテナを設置すると全身がずぶ濡れになりました。空電などのノイズは無く、伝搬は良くも悪くもなく、7MHz帯と10MHz帯に出ればそれなりに呼ばれる感じでした。

砂川市ではさらに風が強くなって、傘が壊れるほどの暴風雨になり、アンテナが破損しないように気を遣いながらの運用でした。

歌志内市で運用しているうちに雨が上がり、風も弱くなってきました。歌志内市の一巡目ではコンディションが悪く、電離層がほぼ消えてしまったような感じで、18MHz帯でかろうじて6エリアが聞こえる程度でした。しかし、この状態でもサテライトは時間通り運用しなければなりません。何とか粘っているうちに14MHz帯で国内局が強力に聞こえるようになり、ある程度のQSO数は稼げました。

芦別市は、周囲が木の枝に囲まれた河川敷で運用しました(写真2)。ここは市街地に近く、隣にはスキー場などがあって山から離れているため、野生動物は出てこないと判断しました。コンディションはあまり上がらず、国内交信は14MHz帯が実質の限界でした。


写真2 芦別市での運用の様子

8日目(5月5日): 午後から本格的なEスポでパイルアップに

天候が回復し、日差しがまぶしい朝になりました。風が強いため、強風に耐えられるよう7mの釣竿をタイヤベースにガッチリ固定して、サテライト用のアンテナも重石を吊り下げての運用です。

赤平市は午前4時台から運用を開始したところ、すでに当地では太陽が高く昇っており1.9MHz帯は厳しい状態でした。サテライトの時間の都合で2時間程度できっちり切り上げて次の滝川市に移動しました。コンディションはまずまずで、18MHz帯で多くの局から呼ばれて時間切れになりました。

雨竜郡雨竜町は堤防上で運用しました。強風でアンテナが揺れてQSBが激しい中での運用でした。前日までは14MHz帯が国内交信の上限になることが多かったものの、この日は18MHz帯が強力に聞こえてきました。昼食の時間や場所が限られているので、昼食休憩の後、川の対岸の雨竜郡妹背牛(もせうし)町に移動しました(写真3)。

ここは見渡す限りの平地で、野生動物が出没する気配も無さそうなので、運用場所の確保は容易です。運用を開始すると各バンドともに信号が強力で、18MHz帯で72QSOできた後も、勢いが止まりませんでした。28MHz帯で45QSOをログインした時には18時を回っており、この後、50km近く離れた旭川市まで移動して、食事や給油を確保しなければならなかったので、残念ながら28MHz帯まで上がった時点で運用を終了しました。このタイミングで50MHz帯を投入していたら、さらに数10QSOは上乗せできたかもしれません。


写真3 妹背牛町での運用の様子

9日目(5月6日): リクエストが多かった雨竜郡(上川)幌加内町へ、コンディションは不調

旭川市に宿泊し、上川郡鷹栖(たかす)町は公園で、上川郡和寒(わっさむ)町は川沿いの空き地で運用しました。穏やかな天気で気温は上がり、過ごしやすい気候になりました。しかし伝搬のコンディションはあまり伸びずに、リクエストが多かった雨竜郡(上川)幌加内町に移動しました。この町は盆地にあり、隣接する市町村からの移動には時間がかかります。また、コンビニエンスストアが無い町としても知られており、昼間のうちにスーパーマーケットに立ち寄って夜の食料を確保しました。

ここでも、野生動物との遭遇を避けるため市街地に近い場所で運用しました(写真4)。幌加内町は運用時間を6時間ほど確保していたのでEスポに期待していたものの、18MHz帯で西日本がかろうじて聞こえる程度で、7MHz帯と10MHz帯を長時間運用してQSO数をひたすら積み重ねる展開になりました。


写真4 幌加内町での運用の様子

10日目(5月7日): コンディションはまずまず、最後は雨に

早朝、午前4時には明るくなります。雨竜郡北竜町の道の駅で午前4時台にサテライトを運用した後、雨竜郡沼田町の公園に移動しました。サテライトの都合で短時間の運用になりましたが、朝早い時間から10MHz帯が良く聞こえており、5月5日のようなコンディションに期待しました。

雨竜郡秩父別町では、南側が開けた場所で運用しました(写真5)。21MHz帯まで聞こえるようになり、前日よりはコンディションが上がっている様子でした。

午後からは、最後の運用予定地である深川市の河川敷に移動しました。広大な駐車場で、サッカー場を利用する方の車が十数台並んでいたところ、雨が激しくなって誰もいなくなりました。

深川市は運用時間を長めに確保しており、コンディションはまずまずで猛烈なパイルアップになるほどでもない手頃な感じで7~28MHzの各バンドで呼ばれ続け、最後は28MHz CWでHF帯の運用を終えました。

雨が激しくなる中、苫小牧のフェリー乗り場に向かう途中で、夕張郡長沼町の道の駅に立ち寄り、サテライトのFO-99を運用して終了しました。この衛星はQSBが激しく周波数の動きも早いので、運用はやや難しい衛星です。CW/SSBとも猛烈なパイルアップになり10分程度で35QSOできて、8エリアでの運用は終了となりました。


写真5 秩父別町での運用の様子

結果

運用地別のQSO数を表1に示します。

1か所あたりの最多QSOは、28MHz帯で45QSOなど各バンドで好調だった妹背牛町の495QSOでした。

昨年は7日連続で1日1,000QSOができました(2021年7月号)。今年は使える衛星が少なく、サテライト通信でのQSO数が伸びなかったこともあり、1日1,000QSOは4日間に終わりました(なお、今年は昨年よりも運用日数が1日少ない)。また、今年は50MHz帯でのQSO機会を逃しました。



表1: 運用日・QTH別のQSO数。1.9~28MHzはCW、サテライトはCW/SSB。
これ以外に430MHz D-STAR(石狩430、札幌430、旭川430、千歳430)で14QSO。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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