Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第25回 総務省 東海総合通信局の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

こんにちは、Masacoです! 暦の上では春! でも大雪が降ったり、インフルエンザが猛威を振るったりしている毎日ですが、みなさんいかがお過ごしですか?

私の地元、兵庫県は今年“県政150周年”を迎え、さまざまな行事が予定されています。その中で「ため池」にもスポットが当たり、「ため池博覧会2018」と題して各地のため池でリレー方式にイベントが続きます! 先日そのオープニングで、ため池イメージソング“ふるさとの宝”をお届けしたり、水が抜けた池の清掃をお手伝いしました! 関東でも井の頭公園の池の水を抜いて干す「かいぼり」が情報番組で取り上げられたり、テレビ東京さんの「池の水ぜんぶ抜く大作戦」も人気番組だとか!! 今まで関東で「ため池」の話をしても「地下鉄の溜池山王駅しか浮かばない~!」とか言われたけど、今年はもしかしたらブームかも~! 私、ため池にはかなり詳しくなってきました(笑)エヘヘ・・。熱く語ってしまいそうなので、今日はこのへんで~。

さて今回の『Masacoの「むせんのせかい」~アイボールの旅~』は、総務省東海総合通信局の皆さんを訪ねて、愛知県名古屋市に出かけましたよ♪

第25回 総務省 東海総合通信局の皆さん

愛知県と言えば! 毎年7月の「東海ハムの祭典」で歌わせていただき、中部大学手話サークルの皆さんと、手話歌にチャレンジもしたり~、名古屋市の「栄ミナミ音楽祭’17」や、NHK名古屋のラジオ生番組に呼んでいただいたり。何を食べても美味しいし、皆さんあったかいし、大好きな場所! 新幹線で東京と関西を往復するたび、お世話になった方の顔が浮かんで、途中下車して会いに行きたいなぁ…きしめん・・・手羽先・・・ひつまぶし・・・(笑)と思っているんです♪

さて、今回お邪魔した東海総合通信局は、名古屋駅から東北東へ3.5km、名古屋城にも近い「名古屋合同庁舎第3号館」にあります! 名古屋城にも行きたかったけれど、時間がなくて東門の前でUターン。ちょこっとだけ天守にある鯱(シャチホコ)が見えました(笑)。


名古屋城の東門まで行ってUターン!? ちょこっとだけ天守の鯱(シャチホコ)が見えました♪


東海総合通信局のある名古屋合同庁舎第3号館です!

「Masacoさん、お待ちしておりました」

建物に入ると、企画広報室長の山本さん、そして竹下さんが出迎えてくださいました。まず東海総合通信局について、基本的なことを教えていただきましたよ。

東海総合通信局は、静岡、愛知、三重、岐阜の東海4県を管轄している総務省の地方支分部局で「情報通信部」「放送部」「無線通信部」「電波監理部」「総務部」の5部体制。合計119名の方が勤務していらっしゃるそうです。


いただいたパンフレットから、東海総合通信局の組織図です

このうち、アマチュア無線家と特に関係が深いのは無線通信部と電波監理部。無線通信部の陸上課ではアマチュア局を含む陸上関係の無線局の免許や検査を担当、同じく航空海上課では無線従事者の免許業務も行っています。

また電波監理部の監視課では電波監視や違法電波の探査、重要無線通信の妨害対策など、調査課では電波の発射状況の調査や不法無線局対策、電波監視施設の整備などを担当しています。“電波のお巡りさん”“電波Gメン”といったお仕事なんですね。

「職員の方で、趣味でアマチュア無線を楽しんでいらっしゃる方は多いのですか?」と伺うと、「残念ながら局内にアマチュア無線クラブはありません。個人の趣味で楽しんでいるかもしれませんが、把握しておりません」というお話でした。ただ「種別を問わなければ、7割ぐらいの職員はアマチュア無線が運用できるような無線従事者資格を持っているのではないかと思います」という情報をいただきましたよ♪

電波の監視施設を見学!!

さて「今回は特別に、Masacoさんに電波監視施設を見ていただきましょう」ということで、監聴室という部屋に案内していただきました。「職員の中でも、ここに入れるのはごく限られた者だけです」という、厳重なセキュリティを通過して入った室内には、たくさんの装置とディスプレイが並んでいます!


厳重なセキュリティに守られた「監聴室」の中。職員の方がさまざまな周波数をモニターしていらっしゃいました

「これはDEURAS-D(デューラス・ディー)」という無線監視システムです。ここから全国に設置されたセンサ局を遠隔操作して、さまざまな周波数の電波をモニターできるほか、発信源を探査することができます」(調査課・澤田さん)

DEURAS! 初めて見ました!! ディスプレイには東海地方の地図が出ていて、ヘッドホンを付けた職員の方が、装置を操作しながら真剣に受信中です。

調査課長の千葉さんから「まずはMasacoさんに不法電波が社会に与える悪影響と、総合通信局の電波監視業務がわかるビデオを見ていただきましょう」ということでコチラ。YouTubeの「総務省動画チャンネル」でも公開されているので、ぜひ皆さんもご覧になってください。とても勉強になりますよ!!

★不法電波から暮らしを守れ!~電波利用にはルールがあります~
・ダイジェスト版→ https://www.youtube.com/watch?v=56nC5Zaph5A
・フルバージョン→ https://www.youtube.com/watch?v=QqgCzsrc5YE


「不法電波から暮らしを守れ!」のビデオを視聴。とってもわかりやすいので、いろいろな人に見てほしいなあ~

ビデオのあとで、千葉さんから電波監視の使命について教えていただきました。

「電波監視の最大の使命は、消防・救急無線、防災無線、航空や列車無線といった人命の救助や安全性に関わる“重要無線通信への妨害や混信を迅速に排除すること”なのです。そのため私たちは、24時間365日の体制で電波監視を行っています。東海総合通信局の場合は、私を含めた3名の課長が輪番で夜間も担当しています」

--わあ、24時間監視していらっしゃるんですね!

「はい。そして不法無線局の撲滅。免許のない不法なアマチュア無線や、外国から輸入される“FRS”など不法な無線機についても積極的に取り締まっています。そして“未然防止”という観点で、電車に周知啓発のポスターを出したり、技術基準に適合しない無線設備を消費者が間違って購入しないよう試買テストと公表も行っています」

--あ、そのポスターは見たことがあります! 今年度はデーモン小暮閣下ですよね。インパクトありました!!

「ではどうやって電波監視をしているかと言うと、25MHz帯以上はここにあるDEURAS-Dで各地に設置した“センサ局”を遠隔制御しながら行っています」

--センサ局はどれぐらい設置されているんですか?

「東海総合通信局の管内は伊豆半島から紀伊半島まで多数のセンサ局でカバーしています。また、全国のセンサ局はバックアップ体制が取れるよう操作が可能となっているんですよ」

--名古屋から全国のセンサ局が操作できるなんてすごいですね!!

「もうひとつDEURAS-Hというのもあります。これは短波帯を監視しているもので、短波の性質を考慮して、北海道、千葉県、石川県、熊本県、沖縄県といった遠いところにセンサ局を置き、神奈川県三浦市の電波監視センターを中心に監視しています。通信衛星の監視もそこで行っています」


神奈川県三浦市の「三浦電波監視センター」の短波帯や衛星監視用のアンテナ。2016年3月、横須賀工業高校へお邪魔する途中で外から少しだけ見学しました

--不法無線局を発見するだけじゃなくて、電波の発射を止めないといけないので大変ですよね。

「そうなんです。電波妨害の申告があったら、DEURASで妨害源の位置を推定し、電波監視車を出して方位測定しながら発信源を探査します。妨害波を特定したら、電波の発射停止を命令したり、告発や行政処分を行います」

--年間でどれぐらいの申告があるんですか?

「総務省全体で、重要無線通信に対する混信の申告は年間600件ぐらい。これは海上関係と航空関係が大部分を占めています。そのほか“一般申告”というものがあり、おもにアマチュア無線なのですが、年間2,000件前後の申告があります。ところでMasacoさん、アマチュア無線だとコールサインは何分に1回言わなくてはいけないんでしたっけ?

--え! ええっと…(汗)

「はい、あとで確認してくださいね(笑)。実は“コールサインを言わない”とか、“区分通りの周波数を使わない”というアマチュア無線局からの一般申告も多いんですよ」


調査課長の千葉さんから、電波監視の使命についてお話を伺いました。質問には答えられなくてメッチャ恥ずかしかったです・・

きゃあ~! 突然の質問で答えられなかったの。超恥ずかしい!! 家に帰って、すぐ教科書を見ましたよ。「長時間継続して送信するときは、10分ごとを標準としてコールサインを送信する」ということですね。もちろん、もっと短い送信間隔で交信するときは、その都度コールサインのアナウンスが必要です。もう絶対忘れないようにします!

千葉さんのお話では、昔は不法無線局というと「不法市民ラジオ」「不法パーソナル無線」「不法アマチュア局」の3つが圧倒的に多かったそうですが、最近は「外国規格の無線機」とか「不法特定船舶局」などが増えてきたとか。監聴室には取り締まりで任意提出された不法無線機や無線アンテナが資料として置いてありました。ちなみに警察や海上保安庁といった捜査機関と行う「共同取り締まり」は、全国で年間200件前後行っているそうです。


取り締まりで任意提出された「37MHz帯」の不法市民ラジオ無線機と、900MHz帯の不法パーソナル無線機も資料として置いてありました


任意提出された不法無線局のモービル用アンテナもありました

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~ バックナンバー

2018年2月号トップへ戻る

次号は 12月 1日(木) に公開予定

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.