コンテストインフォメーション
2025年9月1日掲載
フィールドデーコンテスト、ハムフェアといった無線界の夏のイベントが終わりました。しかし、原稿を書いている8月時点ではまだ厳しい暑さが続いております。この記事がリリースされる頃には涼しくなっていることを願っております。
さて、今回はまず「ログの提出は必須か?」について解説した後、8月に開催されたコンテストのレビューと9月に開催される注目のコンテストを紹介したいと思います。
某SNSで「コンテスト参加局と交信した場合、自分もログ提出が必須なのか?」という質問が投稿されました。これに対し数名の方が回答されていましたが、残念ながら誤った回答もございました。以下、解説いたします。
① 殆どのコンテストでは必須ではない
JARL本部主催のコンテストを含め、殆どのコンテストでは必須とされていません。また、JARL本部主催のコンテストではログのクロスチェック(相手局のログと突合せし確認すること)が行われており、主催者は参加者へログの提出をお願いしております。しかし、これは審査の精度を上げるためのお願いであり、相手局のログが提出されていないから即減点というルールではございません。但し、主催者が何らかの方法で相手局に確認し「当該交信が無かった」と判断した場合は減点あるいは失格となる可能性がございます。
② 「双方のログが一致した場合のみ得点となる」コンテストも一部ある
有名なものを挙げます。これらのコンテストにて交信した場合はログを提出することをお勧めします。
・KCJコンテスト(毎年8月開催、CWのみ)
・KCJトップバンドコンテスト(毎年2月開催、CWのみ)
・オール横浜コンテスト(毎年7月開催、28MHzのみ)
③ チェックログについて
一般に、チェックログとは「主催者へ交信記録を提供するために提出するログ」のことです。順位をつけられたくない、参加部門以外の周波数帯、モードで交信した等の場合に提出します。上記②の場合でも、このチェックログを出せば相手局の得点となります。得点やマルチの計算が不要であり作成は比較的容易ですので、「書類作成は面倒だが相手局に迷惑をかけたくない」という場合はチェックログの提出をお勧めします。
直前に台風が本州に接近したため、参加するか迷われた方も多かったと思います。幸いコースが変わり強風に見舞われる状況は無かったようですが、暑さで苦労された方は多かったのではと思います。
今回はローバンドのコンディションが堅調である一方、ハイバンドのコンディションが良く、QRP局やシンプルアンテナ使用者でも多くの方と交信できたようです。以前とは違い、最近はログ締切直後にRaw scoreが公開されるようになりました。これをみるとCP部門に参加されたJK1JHU/1がXAやCA部門を含むシングルオペ全体でトップという刮目すべきスコアを出されています。また、全体に電信電話よりも電信部門のほうが高スコアの局が多い傾向があり、かつ常置場所等から参加された局も目立ちます。前者はRBNやwebクラスターの活用、後者は暑さ対策の影響かと筆者は推察しております。
フィールドデーコンテストに参加中の筆者のアンテナ
例年お盆の時期に開催されており、今年は8月16日~17日に開催されました。私は自宅からシングルオペオールバンド部門に参加しました。フィールドデ―コンテストのようなハイバンドのオープンは無かったものの、高利得のアンテナをお使いの方はある程度のマルチを確保できたものと思います。また、7MHz帯の運用者が非常に多く、身近でもシングルバンドで500局前後交信された方が複数おられました。結果発表が楽しみです。
昨年に続き今年も規約が改定されております。今年は9月21日に開催されます。特徴と注意点を挙げます。
特徴1: 複数部門にエントリーできる
多くのコンテストでは一つの部門のみエントリー可能とされておりますが、本コンテストでは、できるだけ多くの方に楽しんでいただくため複数部門へのエントリーが認められています。
特徴2: デジタル部門に要注意!
昨年は他のコンテストではあまりみられない「デジタル部門」がありましたが、DVやC4FMは電話として扱われ、FT8やFT4は本コンテストの対象外でした。今回はデジタル部門が廃されRTTY部門が新設されました。なお、FT8/FT4につきましては「オール岡山FT8/FT4コンテスト2025」として別途開催されることとなりました。
注意点1: 日程が変更された
例年9月第二日曜日に開催されておりましたが、今年は9月21日に開催されます。また、先に述べたFT8/FT4コンテストが9月7日に開催されます。ご注意ください。
注意点2: 電信電話部門はない
特徴1とも関連するかもしれませんが、電信電話部門はございません。ご注意ください。
オール秋田コンテストは9月13日(土)の21:00~23:00と14日(日)の06:00~12:00、福岡コンテストは9月13日(土)の21:00~24:00と14日(日)の06:00~15:00に開催されます。重複している時間帯が多いことや地理的に適度に離れていることから、この二つの両方に並行して参加してみることをお勧めします。
部門について、秋田コンテストがマルチバンドとシングルバンド部門、電信電話と電話部門という構成であるのに対し、福岡コンテストはローバンド、ハイバンド、V/UHF帯及びマルチバンド部門、電信、電話と電信電話部門という構成です。組み合わせは様々ございますので、ご自身の設備や地理的な相性を考えてそれぞれの部門を検討されてはいかがでしょうか。
大阪万博EXPO'70開催を記念し始まったコンテストです。例年敬老の日に開催されており、今回は9月15日(祝)の06:00~18:00に開催されます。国内コンテストの中では「準メジャー」と言える参加者の多いコンテストです。部門はシングルバンドとマルチバンド、電信と電信電話というスタンダードな構成です。
今回は大阪・関西万博開催を機に幾つかの規約改定が行われています。主な改定点を紹介いたします。
・参加資格に海外のアマチュア局を追加
・使用周波数帯を1.9MHz~1200MHzから1.9MHz~10GHzへ拡大
・シングルオペHFマルチバンドとシングルオペ2400MHz以上マルチバンドを追加
・Webクラスター等の使用可(ただしセルフスポッティングやそれを依頼する行為を禁止
・許可されているリモート局による運用可
・記念局(8J,8K,8N局等)も一般局と同部門にエントリー可
・大阪・関西万博記念局との交信は10点
・第55回特別賞として抽選で550局に記念品贈呈
記念局をチェックログではなく、一般局と同部門にエントリー可とする点については賛否両論あるかと思います。参加局からのコメントや主催者によるまとめに注目したいと思います。また、SHF帯への拡大が今後継続するのかも注視したい点です。
こちらは2005年に開催された愛・地球博を記念し始まったコンテストです。今年は9月22日(月)の21:00~24:00と23日(祝)の06:00~12:00に開催されます。今回は愛知万博20周年を記念し幾つかの特別規約が設定されております。以下に紹介いたします。
・8J20AIとの交(受)信の得点は5点
・愛知万博20周年記念カードを使用した参加証を発行
・期間中に8J20AIと交信した方のQSLカードは参加証に同封して送付
・愛知県内で運用する合計20局と交信した局は「愛・地球博20周年記念アワード」も同時申請可
部門が非常に多く、特に東海4県から参加される場合は上手く部門を選択すれば比較的容易に入賞できます。入賞狙いの方は過去の結果を熟読することをお勧めします。
9月も残暑が続くかと思います。また台風シーズンにも入ります。体調とアンテナの保全には十分お気を付けください。
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