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2025年9月1日掲載
前回の記事では、8年以上前に作った八木アンテナの改良版を別のアプローチで作りました。2021年6月号の第26回では『三脚付きアンテナ基台』を製作しましたが、それは八木アンテナには使えず、構造としても満足していません。
今回は、移動運用に便利な、コンパクトな三脚の製作をご紹介します。ホームセンターで手に入る部材で作れます。
移動先で八木アンテナを使う時はカメラ用の三脚を利用するのが一般的です。カメラの三脚はしっかりした造りですが、ある程度のサイズと重量があります。それほど堅牢さを求めないのであれば他の物で代用出来ます。実際、初めは「譜面台」を改造して使っていました。
これまでに使った三脚。
①譜面台を改造して作った三脚。(2016年10月号『430MHzバンドの6エレ八木アンテナの製作』より)
②コンパクト三脚を利用。(2018年9月号『144MHzバンド6エレアンテナ』より)
③ビデオカメラ用大型三脚を利用。(2025年6月号『430MHz 6エレ八木アンテナの製作』より)
④自作の三脚。(2021年6月号『三脚付きアンテナ基台』より)
自分にとってベストな物を求めると自作することになります。というわけで、八木アンテナに使える三脚を自作してみました。
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※A4 タテ 100%で印刷してください。
1. アルミパイプの加工
シャフトとなるアルミパイプをカットして穴を開けます。長さは自由が利きます。短くコンパクトにしたいか、伸ばした時の長さを優先するかで決めてください。なお、穴あけには上記のテンプレートをダウンロードして使ってください。
2. 塩ビパイプの加工
足を曲げ伸ばしさせる『スライダー』と、伸縮パイプを固定する『スリーブ』には塩ビパイプ(VP-20とVP-16)を使います。上記のテンプレートをダウンロードして使ってください。
3. パイプへのスリーブの取り付け
シャフトを伸ばして固定するためのスリーブの取り付けです。アルミパイプにスリーブを通し、4方向からイモネジを締めて固定します。コツは、4つのイモネジを順に徐々に少しづつ締めて行くことです。
4. アルミ平板の加工
平板を図の寸法にカットして穴を開けます。これが足になります。ネジ穴と普通の穴とがありますので、開ける穴を間違えないように注意してください。
注意: この作業で精度が決まります。慎重に進めてください。
5. スライダーへの足の取り付け
三脚の足となるアルミ平板を『スライダー』に取り付けます。まず、ネジを足(長いほうの平板)に取り付けてよく締め、足ごと回転させながら、スライダー側にあるネジ穴に入れ込みます。完全に締めるのではなく、180度くらいスイングする状態にします。
6. 短いほうの平板の足への取り付け
ネジを締める向きに注意してください。内側から外に向けてねじを止めます。完全に締めるのではなく、180度くらいスイングする状態にします。
7. ボトムシャフトに足を取り付ける
短いほうの足をシャフトの下部にネジ止めします。完全に締めるのではなく、後述のように足が閉じたり開いたりする状態にします。
このようにスムーズに閉じたり開いたりすることを確認します。
残りの2本の足も5~7を繰り返して取り付けて下さい。なお、足の先端にM8ネジ用の先端キャップを付けると滑り止めになります。
M8用末端キャップ。
8. スリーブへのストッパーの取り付け
ストッパーにM4のネジ穴を開けます。パイプごとスリーブを突き抜けるネジ穴です。このネジ穴を介してM4ネジで中のシャフトを押さえて固定できるようにします。図のようにコードクリップを取り付けると、ネジとパイプが直接当たらないので、パイプに傷が付きにくくなります。(パイプに傷が付くのが特に気にならなければ不要です)
ネジで直接パイプを押して固定すると傷が付きやすい。
コードクリップをパイプとM4ネジの間に挟むと、良い緩衝材になる。
次ページは「前回の430MHz 6エレ八木アンテナを取付けてみた使用感」
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