新・エレクトロニクス工作室
2025年10月15日掲載
スペアナとトラッキングジェネレータで特性を測りました。10+10dBアッテネータを20dBに設定し、0~1000MHzを測ったのが図3になります。同様に10dBにして測ったのが図4です。どちらもまあまあの特性かと思いますが、元々1000MHzなどは無理な周波数と考えるのが妥当でしょう。
固定値アッテネータの10dBを0~1000MHzで測ったのが図5になります。1000MHzで使うようなアッテネータではありませんが、HF帯や50MHz程度であれば充分な特性でしょう。
このように、スペアナの入力レベルを合わせるのが一つの目的です。しかし、極端な考え方として、間違って過大入力を入れた時のヒューズという考え方もあります。このような外付けのアッテネータが先に焼き切れてしまえば、スペアナが助かる可能性もあります。そのような意味では、75Ωの抵抗は電力に余裕がない方が良い事になります。まあ、これは考え方とバランスですので難しいところです。もちろん100Wなどのレベルを直結して良いはずがありません。そのようなレベルの計算と管理は御自身で行うしかありません。いずれにしても、このようなアッテネータは、いろいろな意味で便利です。
10+10dBのアッテネータをスペアナに入れるのであれば、常時20dBの状態にセットしておく癖をつけておくべきでしょう。状態を確認してから10dBの位置にします。それがフェイルセーフに繋がります。私のスペアナも入力には常時写真10のように使っています。10dBも入れたくないような、低いレベルの測定をする時には外す事もあります。
注意すべき点ですが、トグルスイッチを抵抗の方向に倒すとアッテネータはスルーになります。抵抗の反対側が10dBになります。写真10は10dBが入っている方向です。これを間違えては意味がありません。
写真10 スペアナに常時使用
しかし、思わぬ間違いをするのが人間です。私も、過去に2度ほど過大入力をしてしまいました。アドバンテストのスペアナを使っている頃ですが、普段は入れているアッテネータを外して受信時の不要輻射を測っていました。その後、何となく出力が見たくなり、そのまま送信したのでした。完全に何かが抜け落ちていた感じです。その代償は大きく、修理に7万円かかりました。その後ですが、このようなテストの場合、マイクや電鍵は必ず外すようにしました。このようにアッテネータを外す測定もあるので、万能ではありません。しかし、それでも常時10dBか20dBが入っていれば、安心感が違うと思います。
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