アマチュア無線の今と昔
2026年5月1日掲載
アマチュア無線の月刊誌といえば「CQ ham radio」。そして、長年多くの読者が毎月血眼になって(?) 読んでいた名物コーナーといえば、「ハム交換室」ではないでしょうか。
「譲ります」「譲ってください」の小さな活字の羅列。気になる無線機やアンテナを見つけたら、ハガキや手紙を書いて相手に送り、ドキドキしながら返事を待つ・・・。今思えば非常にのんびりとした、そしてロマンあふれる個人売買の形でした。
時代は移り変わり、今は令和。私たちの「交換室」は、分厚い雑誌のページから、手のひらの上のスマートフォンへと場所を移しました。ヤフオク!やメルカリをはじめとするインターネットオークション・フリマアプリの普及です。
今回は、現代のアマチュア無線家がいかにしてこの巨大な「ネット上のハム交換室」を活用し、宝探しを楽しんでいるのか、その活用術を紐解いてみましょう。

ヤフオク!やメルカリが現代のHAM交換室ですね
●圧倒的なスピードと「お宝」との遭遇率
ネットオークション最大の魅力は、なんといってもその情報量とスピードです。日本全国のシャックで眠っている機材が、毎日、毎時間、次々と出品されていきます。かつてカタログを眺めて溜息をつくしかなかった往年の名機はもちろんのこと、生産終了して久しいこだわりの縦振れ電鍵や、FT8運用に欠かせない特定のインターフェースケーブル、さらにはコモンモードフィルターを自作するためのフェライトコアまで、ありとあらゆるものが画面の向こうに並んでいます。
「もう手に入らないだろうな」と諦めていたパーツが、検索窓に型番を入れただけであっさりと見つかる。これは現代ならではの魔法と言っていいでしょう。

ネットオークションは宝の山です
●イマドキの「ネットオークション活用術」3箇条
では、数ある出品の中から賢く機材を手に入れ、トラブルなく取引するためのコツをいくつかご紹介します。
1. 検索は「型番」と「アラート機能」の二刀流で
単に「アマチュア無線」で検索すると、あまりにも膨大なノイズに埋もれてしまいます。「IC-7300」や「アンテナチューナー」など、具体的な型番や機器名で絞り込むのが基本です。さらに、どうしても探しているレアなアイテムがある場合は「保存した検索条件(アラート)」機能を活用しましょう。出品された瞬間にスマホへ通知が来るようにしておけば、ライバルに出遅れることはありません。

ライバルを制するアラート機能
2. 「ジャンク品」という言葉の重みを理解する
無線機のネット取引で最も多いトラブルが「状態の認識違い」です。特に「ジャンク品」という言葉には要注意。「電源が入るかどうかも分からない完全なガラクタ」から、「一通り動作するが一部のランプが切れているだけ(実用品)」まで、出品者によって定義が大きく異なります。自分で修理できる技術がある、あるいは部品取りと割り切れる場合以外は、「動作確認済み」と明記されているものを選ぶのが無難です。
逆に、出品する際には、できる限り動作確認しているのがわかる写真などを掲載することが、高く売れるコツになります。

ジャンク品の中に掘り出し物あり
ヤフオク!では写真は10枚しか掲載できませんが、htmlのタグを活用することで、さらに多くの写真を掲載することも可能です。またそのためのサイトもありますので、それらを利用するのもひとつの手ですよhi
3. 取引メッセージは「QSO」と同じ心遣いで
ヤフオク!やメルカリのシステムは非常にシステマチックで、無言でも取引は完了します。しかし、相手も同じ趣味を持つアマチュア無線家であることがほとんど。購入後のメッセージで「昔憧れていたリグなので、大切に使わせていただきます」「私も同じバンドによく出ています。FBなQSOを!」といった一言を添えるだけで、お互いにとても気持ちの良い取引になります。これも一つの「交信」ですね。
ところが、最近ではアマチュア無線家どうしの取引であっても、非常にビジネスライクな場面を目にします(挨拶は不要と明記されている方もおられます)。個人的にはちょっとそれは寂しいなぁ・・・ と思いますが、皆さんはどうでしょう?
●おわりに 受け継がれていく無線の心
ツールが「ハガキ」から「アプリ」に変わっても、不要になった機材を誰かに譲り、新しい持ち主の元で再び電波を吹き込まれるという営みの本質は、昔の「ハム交換室」時代から何も変わっていません。
あなたのシャックで埃をかぶっているその機材も、ネットの向こうで誰かが喉から手が出るほど探している「お宝」かもしれません。次の週末は、ネットオークションを活用して、シャックの機材整理と新しい出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか?
なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。
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