Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その41 山岳移動運用電源について3

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

こちらの記事を印刷する(PDF 形式)

皆さま、いかがお過ごしでしょうか? 本来一年の中で一番寒い2月であるにもかかわらず、5月の気温になったり、そうかと思うと3月になったのに真冬のように寒くなったりと、今年の春は例年に比べ寒暖の差が激しいような気がします。健康にはくれぐれも気をつけたいものです。

さて、前回、前々回は私が山岳移動用として使っているバッテリーを2種類紹介しました。前々回は最新式のPDバッテリー、前回は電圧調整できるリチウムイオンバッテリーでした。電源の話題は皆さんの関心があることのようで、前月もいろいろとご質問、ご感想をいただきました。今回は、私が使っている、もうひとつの小型軽量の電源、リチウムフェライトバッテリーを紹介してみたいと思います。

リチウムフェライトバッテリーは、私がいままで一番長い期間山岳移動で使用しているバッテリーでハムフェアや関ハムでもSOTA日本支部のブースにて展示をしてきたバッテリーですのでご存知の方も多いと思います。


一時期、リチウム系の電池が過充電やショートさせた場合、発火や爆発するようなニュースも流れていましたので、当時、私は安全なバッテリーを探していました。インターネットでいろいろと探してこのリチウムフェライトバッテリー(以下、LiFeバッテリー)を見つけ、このバッテリーは比較的安全であることがわかりました。上の製品はAZバッテリーという会社のものですが同様の製品がいくつかメーカーから発売されているようです。もともとはオートバイ用のバッテリーとして売られており、私は2013年当時バイク用品を扱う店で購入しました。現在はアマゾンなどでも購入できるようです。

私が使っているものはタイプ名がIT12B-FPというものです。このLiFeバッテリーの最大の特徴はその軽さです。重さは従来の鉛バッテリーの1/5で1kgを切っています。山岳移動運用での装備の重量はとても大切な要素です。さらに自己放電率も低く、メンテナンスフリー、電圧も13V以上が得られるということでアマチュア無線で使うには良いことずくめです。

このLiFeバッテリーの充電電圧は結構厳しい電圧管理が必要です。仕様では充電電圧が14.4Vになっています。バッテリーの取説にも14V~14.8Vの間で充電して欲しいと書いてあります。バイク用品店の店頭では13.5V~14.8Vで充電することとなっていました。現在のメーカーサイトの情報では必ず専用の充電器を使うようにとなっていますが、私がこのバッテリーを購入した時点では専用充電器は無かったため、私は現在でも安定化電源を使っています。アマチュア無線では13.8Vの電源はつきものですのでこのバッテリーの充電電圧範囲からも好都合です。このAZバッテリーにはバッテリーマネジメント回路も入っているので安全ですが、電流が流れすぎないように絶えず電流をモニターしながら電圧を微調整して充電しています。

このバッテリーの上部には、バッテリー残量の確認できるチェッカーが付いています。


現在このバッテリーを使って既に8年が経ちました。しかしバッテリーのへたりは全くなく、実は昨年末にPDバッテリーを導入した後、あまり出番がなくなり、3か月も放置していたのですが、電圧は13.8Vをしっかりと保持しており、13.8Vの安定化電源を接続しても充電が始まりませんでした。

尚、バッテリーは、使い方を間違えると非常に危険です。上記、記事内容は参考情報とお考え下さい。

さて、今回まで3種類の山岳移動用バッテリーを紹介してみました。皆さんはどのバッテリーに興味がわいたでしょうか? 来月はこれら3種類のバッテリーの比較をしてみたいと思います。

SOTA日本支部では常時メーリングリストの申し込みを受け付けております。私宛のメール、jh0cjh599アットマークgmail.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。

Summits On The Air (SOTA)の楽しみ バックナンバー

2021年3月号トップへ戻る

次号は 12月 1日(木) に公開予定

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.