おきらくゴク楽自己くんれん
2025年7月1日掲載
21MHzデルタループアンテナのテスト風景
皆さんこんにちは。これまで使い勝手を向上させてきた軽トラモバイルシャックですが、無線設備の進歩が少しおろそかになっておりました。運用の度に慣れが生まれてくるせいか段々使うアンテナが限られてきました。普通のトラックであれば大量の荷物を積めるのでアンテナ機材の運搬に困ることは少ないのですが、シャックが載っていますので運べる荷物には制約があります。もちろん居住性を顧みなければかなりの機材を運ぶことは可能ですがそれはそれ、コンテストなどどうしてもという時以外は気軽に運べて、ある程度使いものになるアンテナというのを考えたいと思います。
アンテナフル装備の状態
これまでモバイルシャックで使ってきた(運べる)アンテナは
・HF
5.4mか10mのグラスファイバー竿を使ったバーティカル(アンテナチューナー併用)
・50MHz
ポケットダイポールかデルタループかポケットDP(アオリに6m伸縮ポールを立てて設置)
・144MHz
屋根にガルバリウム鋼板にマグネット基台を貼り付ける144MHz用モービルアンテナ
上記以外にはギボシ式のHFダイポールや430MHzヤギアンテナ・自作144MHzツインループアンテナなどです。
特に最近思っていたのは、HFアンテナがバーティカルかDPだけなのでお手軽で使って楽しめるアンテナはないものかということでした。この場合の「お手軽」という意味には車1台の駐車スペースで展開できるアンテナという意味を含めています。
そんなところ思いついたのは21MHzデルタループアンテナです。
HFのいろんなバンドを検討しましたが、ローバンドでは性能のいいアンテナはどうしても車のスペースをかなり大きくはみ出さないといけないですから、初めからあきらめました。それならばどのバンドなら実用的なアンテナができるでしょうか。ダイポールを考えると28MHzでも幅が5mも必要です。それならば少し上に展開して5~6mの幅を持たせれば周囲に与える圧迫感も少なくてすみFBなのでは? と考え付いたのが21MHzデルタループです。
21MHzデルタループのメリット
・ DPに比べ同じ展開幅ならばより高い周波数に出ることができる
・ DPに比べゲインが得られる
・ 材料がコンパクトに納まる
などいろいろと好都合です。
ここでデルタループアンテナの基本を確認します。
・ エレメント長は基本的に1λつまり21MHzでは14.3mとなります。
・ インピーダンスは給電点のエレメント角度が90度の場合は約200Ωです。
・ 給電点の角度が狭くなるとインピーダンスは下がります。
21MHzですとエレメント長は14.3mとなります。波長短縮率や軽トラモバイルシャックで使う場合では十分な地上高は得られませんから少し短くしておいた方がよいと思いますが、短くし過ぎるとあと戻りできないので計算通りの長さから始めてみます。
たまたま家に置いてあった2sq IV線15m
上図の想定に基づき準備をします。
4.1mの部分は手持ちのグラスファイバー釣り竿を使い、何とかして軽トラック荷台からV字に上げて6.1m部分を引っ張るようにすればいいのではないか考えました。
次は給電点のインピーダンス変換を兼ねる4:1バランを用意します。
自作4:1バラン
100均タッパーに収めた4:1バランを使います。回路はネットで多くの方が紹介されていますのでそれらを参考にしてください。組立後200Ωの抵抗器の両端をジョンソンターミナルに接続してSWRが1近くになることを確認。耐電力を上げようと太いポリウレタン線を使用したので上手く曲げられずトロイダルコアとの隙間も多くカッコウは悪いですが動作は大丈夫です(笑)
ループエレメントですが偶然にも15mの長さの2sq IV線が家にありましたのでこれを切って使いました。すこし太いように思いましたが、電線の価格も高くなっていますので節約です(笑)
軽トラでの設置条件は、給電点の地上高がかなり低いのでインピーダンスは200Ωよりかなり低くなることが予想されます。基本的に移動用のアンテナですから、運用する各所で周囲環境が変わるので詰めて調整してもあまり意味はありません。極端に共振点が外れていなければアンテナチューナーに頼りながら使えると考えることにします。
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