日本全国・移動運用記
2026年3月2日掲載
筆者はこの連載で紹介している通り、日本全国各地で移動運用を行っていますが、神奈川県では運用の機会が少なく、その中でも横浜市と川崎市では一度も運用を行ったことが無かったため、2泊3日の日程で移動運用を計画しました。
筆者は、移動運用では無線機の電源として12Vのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(写真1)を使用しており、発動発電機は所有していません。そのため、民家に隣接する場所や早朝・夜間でも、騒音で迷惑にならないように運用できます。
これまでは、夜間は宿にバッテリーを持ち込み、室内で充電していました。都市部の宿は、駐車場から客室までの距離が遠く、徒歩で5分ほどかかる場合もあります。12V 100Ahのバッテリーは1個が約11kgで、これを運ぶのは大きな負担です。以前は12V 100Ahで1個が約23kgのシール鉛蓄電池を使用しており、エレベーターが無い宿では非常に苦労しました。

写真1 無線機の電源として使用している12V 100Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
中央の緑色のラベルが付いているもの。写真は2022年6月号から転載
宿での充電に加えて、走行中(エンジン起動中)にも充電しています。車のバッテリーを電源として、DC12V→AC100Vコンバーターを介して無線機用バッテリーの充電器に給電します(図1)。2個のバッテリーは1個を充電用、もう1個を放電用にして(残容量が多い=電圧が高い方を放電用にする)、充電器と無線機を電気的に切り離すことで、充電しながら運用してもノイズの影響が抑えられます。
ガソリン車・普通乗用車では、車のバッテリー(12V)から取り出せる電流の上限は10A程度です。充電器を経由すると昇圧および変換損失があるため、無線機用バッテリーへの充電電流は約6.5Aが上限になります。
一方で、無線機を50W出力・CWで連続運用すると、平均消費電流は7~8A程度です。これを1日10時間続けると70~80Ahを消費し、12V 100Ahのバッテリーはほぼ空になります。ここから6.5Aで充電すると、満充電までに10時間以上かかります。そのため、車中泊で宿に持ち込み充電ができない状況で2日連続運用する場合は、2日目は運用しながら充電する必要が生じたり、一晩で充電が完了しなかったりすることがありました。

図1 無線機用のバッテリーを走行中に充電するシステム(ガソリン車の場合)
筆者は2025年に、移動運用車をPHEV(プラグインハイブリッド車)に乗り換えました。PHEVは動力用の大容量バッテリーを搭載しており、停車時でもAC100Vで最大1500Wの電源を供給できます(写真2)。このAC電源を利用して、無線機用バッテリーを出力12Aの充電器で充電するように変更しました。さらに急いで充電したい場合は、2台の充電器で無線機用バッテリー2個を同時に充電することもできます。
その結果、走行中の充電だけで無線機用バッテリーの残容量を維持できるようになり、宿にバッテリーを持ち込む必要が無くなりました。


横浜市には18区、川崎市は7区があり、2泊3日で全部回ることは実質的に不可能なので、主に東側の東京都に近い地域で移動運用を計画しました(図2)。

図2 移動運用ルート
最初の目的地である川崎市宮前区の公園には、新東名高速道路の流れが順調で予定より早く着きそうになり、途中の足柄上郡中井町のパーキングエリアで少しだけ運用しました。7MHz帯はまずまずの伝搬だったものの、10MHz帯の近距離はイマイチでした。
宮前区は北側が開けた公園の駐車場で運用しました。ここでも伝搬のコンディションが上がらず、10MHz帯は伸び悩みました。北側限定ながらもロケーションが良いため、50MHz帯は11QSOを記録しました。
次の多摩区では風が強くなり、屋外でスポーツをするには厳しい状況で公園の駐車場が空いていました(写真3)。いつもよく聞こえるはずの8エリアの信号があまり確認できず、大雪などの天候の影響がありそうでした。
最後の高津区では、市街地で近くに線路があったもののノイズは少なく、1.9MHz帯の受信状態は良好でした。強風のため短めの釣竿アンテナしか使えない制約がありながらも、最低限の交信数は確保できました。

写真3 川崎市多摩区での運用の様子
次ページは「2日目 横浜市と川崎市を行き来して運用」から
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