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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第18回 ケンウッドアマチュア無線クラブ(JA1YKX)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

◆JVCケンウッドの業務無線機とF1レースの無線システム

1階のロビーで、今度はクラブの早崎さん(JH1CUC)のご案内で、展示されている無線機器を見せていただきました。

JVCケンウッドの業務用無線機は大きく4つのカテゴリーに分かれているそうですよ。


JVCケンウッドの業務無線機。左上が「ミッションクリティカル セグメント」、右上が「オペレーションクリティカル セグメント」、左下が「コマースクリティカル セグメント」、右下が「日本国内市場向け無線機」です

(1)「ミッションクリティカル セグメント」
警察・消防・救急など公共安全業務を中核とし、迅速性と相互運用性が高いレベルで求められ、システムや無線機に高い信頼性が求められるもの。国内でも「洞爺湖サミット」の時に活躍。

(2)「オペレーションクリティカル セグメント」
上下水道、都市ガス、電力、鉄道バス、空港、石油コンビナートなど、24時間365日欠かすことの出来ないオペレーションが求められる現場での無線機。

(3)「コマースクリティカル セグメント」
ホテルや商業施設など、比較的限定的な範囲でのスタッフ間連絡用途など。

(4)「日本国内市場向け無線機」
デジタル簡易無線(登録局・免許局)、特定小電力無線など。

(1)から(3)は世界中の国や行政機関、企業などで使われているもので、特に(1)や(2)はデジタル化が進んでいるそうです。そして(4)は日本向け。カラフルな色の特定小電力トランシーバーはレジャーの連絡やアパレルや飲食店でも見かけますよね~。

「もうひとつ、ぜひMasacoさんにお見せしたいものが!」と、案内してくださったのは、なんと! レーシングカー「F1」の無線システム! JVCケンウッドとマクラーレンは1991年からオフィシャルサプライヤー契約を結んで、無線システムを供給しているそうなんです!!


マクラーレン・ホンダで今使われているデジタル無線システム。ヘッドセットの設計は早崎さんが担当したそうです

--F1レースって、レーシングカーの騒音がメッチャ凄いですよね!

「そうなんです。騒音と振動、衝撃の中でも確実にコミュニケーションできないといけません。マクラーレンレーシングの総帥、ロン・デニス(Ron Dennis)からも“ピットの中でも車の中でも、ナチュラルな音声をくれ”と要望されました」

--それって大変ですよね?

「スタッフはこの防音効果が高いヘッドセットを使い、口元のマイクはノイズキャンセル式で、無線機本体にもDSPを入れて工夫をしています。ピットのスタッフは用途別に2台の無線機を持ち歩く方もいますので、ヘッドホンの上には2つの送信ボタンを付けているんですよ。Masacoさん、ぜひかぶってみてください」
--いいんですか? わあ、耳に密着!!!外の音が何も聞こえない!

「普通の業務用無線よりも柔らかい革を使うことで防音効果を出しています。ただ数か所のレースが終わると髭でボロボロになってしまうので、頻繁に交換することとなります」

そうなんですか~! レコーディングやラジオ番組でヘッドホンを付けるけど、それとは全然違う密着感がありました!!


ヘッドセットを装着! 密閉感がすごくて、レースの騒音の中でもクリアに交信できそう!

このF1レース用のヘッドセットを開発したお一人が早崎さんで、実際にF1レースの現場に同行したこともあるそうです!!! 「マクラーレンとは長く組んでいるので、音質のことなど勉強させてもらいました。アナログからデジタルに変わった年は結構大変でしたね」とおっしゃっていました。


F1レースで使われる無線システムを説明してくださった早崎さん

◆クラブ員の皆さんにインタビュー!!

「ケンウッドアマチュア無線クラブ」の会員ですが、現在は85人!!!「メンバーになっていない人も入れると、事業所にはその倍ぐらいのアマチュア無線家がいるんじゃないかなあ」というお話でした。

ふだんの活動は“定時退社日”の毎週水曜日夕方から夜が多いそうです。JA1YKXと交信したい人は水曜日が狙い目ですよー♪ その他は国内・海外のコンテストでのアクティビティが高いそうで、土曜日の朝から月曜日の朝まで、徹夜でDXコンテストに参戦して、「コンテストが終わったので帰ります」と言って有給休暇に入るメンバーもいるとか!?(笑)

ちなみに女性メンバーは7人で、そのうち3人が1アマ!!! 中にはいきなり1アマを受験して一発合格、“免許取ったけれど、交信方法が分からないので教えてください”と相談にきたYLさんも。リケジョ(理系女子)、すごすぎます~!!!

では、お仕事の合間に集まってくださったメンバーの方に、入社の動機やアマチュア無線の資格を取ったきっかけなどをお聞きしましょう~。

★水戸さん(JH7SZD)
2007年に中途採用で入社され、社会人になってからずっと無線関係の会社にいたので、スキルを活かして転職!お仕事では品質保証を担当。

実は私・・・水戸さんのことは4年ぐらい前から知ってるんです♪ 無線のイベントでお会いしたことがきっかけで、いつも応援していただいています、ありがとうございます♡


水戸さんと2ショット!

★逵(つじ)さん
2006年に入社。ソフトウェア担当。アマチュア無線は白山事業所に来てから。「無線機を開発している部門だったので、どんなものだろう…と勉強して3アマ取りました。周囲の人たちが勉強会を開いてくれましたし、先輩から無線機を1台いただきました」。皆さん優しいです!!

JVCケンウッドのグループ会社に音楽ソフトを創っている「ビクターエンタテインメント」があり、「ビクター所属のアーティストのステージを、最高の音の空間で見られる機会もあり、いい環境です♪」というお話も!

★冨安さん
「ものづくり」ができる会社に入りたくて1998年に入社。最初は携帯電話のソフト設計をしていましたが、しばらくして無線の部署に異動。「担当したのが、海外の消防・警察向けの無線機だったので、なかなか自分では電波が出せません。自分で無線を経験するにはハムが良さそうだと思って、勉強して1アマを取りました」うわあ、カッコイイ~!!! 海外局と話ができたときはメチャ嬉しかったそうです。


冨安さん(左)と逵さん(右)

★早崎さん(JH1CUC)
1994年の入社で、商品企画を担当。
学生時代からラリーをやっていてモータースポーツが大好き!! 当時のケンウッドはF1やルマンのサポートをしていたのでこの会社を選んだそうです。面接で「無線でモータースポーツのサポートをしたい」と言ったら、有無をいわさず無線の部署に配属されたとか!

「信号を音に変換するのは無線もオーディオも同じで、音の深みが重要です。ユーザービリティと人の感じる部分を大切にしたいですね」「製品の開発時には必ず“試聴会”をやります。使用する言語によって“音作り”が変わるので、ネイティブな人に話してもらって、声がハッキリ伝わるかを確認してイコライジングの調整も行います」という、プロのお仕事を伺いました!!

★板橋さん(JO7FGZ)
設計を担当。アマチュア無線の免許は高校の時に取得して、本格的には大学で始めたそうです。「実は新卒でケンウッドに入社したかったのですが、ちょうど新卒募集のない時期だったんです…。2005年に中途採用があったので、これは!と思って応募しました」というケンウッドの大ファン。別の事業所でカーオーディオやカーナビなどを担当したこともあるそうです。


板橋さん(左)と早崎さん(右)

★中村さん(JH4OWG)
1982年の入社で、品質保証を担当。子供の頃から短波やラジオに興味があって、15歳でアマチュア無線の免許を取得。高校・大学と学校のアマチュア無線部でコンテストをスパルタでたたき込まれたそうです。

「高校の無線部は、コンテストの途中でウトウトしていたら、顧問の先生から“おまえら、何寝てるんだ!”と怒鳴られ、大学の無線部ではうっかり寝てしまうとタワーの根元にくくりつけられるという体育会的な部活動でした」という環境で、中村さんも立派なコンテストマニアに育てられたそうです!!!

会社の思い出は、入社後しばらくして担当したパーソナル無線機「PASOX(パソックス)」の開発で「ちょうどパーソナル無線の大ブームで開発チームも盛り上がり、いろいろな機種を出して大ヒット、社長賞までいただきました」ですって♪


中村さんが関わったパーソナル無線機「PASOX」も4階の廊下に展示されていました

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