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今月のハム

JH2RMU 村山彰さん

三重県伊勢市から主にHF帯で国内外とのQSOを楽しんでいるJH2RMU村山彰さん。村山さんは小学生の頃に両親から買ってもらった電子工作のおもちゃで遊ぶうちに電気に興味を持ち、中学生の時に遊びに行った従兄弟の家でたまたまCQ誌を見て、アマチュア無線をやると南極とも交信できること知った。

その後、中学校の同級生がアマチュア無線を始めたので、遊びに行って実際の交信を聞かせてもらった。すると21MHzや28MHzで北海道の局が聞こえて興奮し、「自分も始めてみたくなりました」と話す。その後国家試験受験のための勉強を始め、中学3年生の秋に友人と二人で名古屋まで出かけて受験した電話級アマチュア無線技士の試験に合格した。

その頃の村山さんは、自宅にあったラジオで短波帯の海外日本語放送を聞き、受信報告書を送ってベリカードを集めたり、紹介してもらった海外の友人と文通したりして、積極的に海外と携わるようにしていた。この頃からDX’erとしての素質が膨らんでいたのかも知れない。

中学卒業後は自宅近くの伊勢高校に入学、高校には社団局JA2YCRがあり、すでに個人局を開局している同級生も複数いる状況だった。村山さんは外国の局と交信したいという夢があったため、お年玉や入学祝金、小遣いを貯めて中古のHF機TS-511Xを入手。開局申請を行って1972年8月29日付でJH2RMUの免許を受領した。実は、免許が下りるまでにもっと時間がかかると思い、TS-511をメーカーにメンテンナンスに出していたためすぐには電波が出せず、無線機が戻ってきた9月14日に21MHz SSBで同級生と交信したのが1st QSOとなった。

それから1ヶ月後の10月28日の早朝に、初めての海外局となるVE3FKUと21MHz SSBで交信できた。このときは7MHz用のダイポールアンテナを使い、出力は10Wだったが、「そのときはそんなに遠方の局とは思っていませんでしたが、今思えばよくまあ北米東海岸まで10Wで飛んでいったもんです。コンディションがとても良かったのだと思います」、と話す。その日は土曜日で登校日だったが、学校から帰るとCQ WW DXコンテストの真っ最中だった。村山さんは、夢中でマイクを握り、聞こえる局を片っ端から呼び続けた。


翌朝(1972年10月29日)にCQ WWDX SSBコンテストで交信したW3AUのQSLカード

海外局との交信を続けていくうちに、地図をよく見るようになった村山さんは、高校時代の地図帳には国名の横にプリフィックスを書き込んだ。そして、いつかは外国局を訪問したいという夢を持つようになった。同時に、「テレビや新聞のニュースで流れる、海外の出来事にも大きな関心を持てるようになりました」と話す。

村山さんのアマチュア無線ライフは、何かを作ったり実験したりすることよりも、電波を発射して交信するという活動を主にし、各種アワードの獲得を目標に挙げて活動してきた。まずは国内47都道府県との交信で得られるWAJAを開局翌年の1973年に獲得。翌1974年には6大陸との交信で得られるWACを獲得した。その後、1983年には海外交信の定番であるDXCCを獲得し、2007年にベネズエラ領アベス島との交信を以て現存全エンティティとの交信を完了、DXCC #1 HRメンバーとなった。またDXCCを追いかける一方、国内のアワード獲得にも精を出し、1997年にWACA、1999年にWAGAを獲得している。

1993年には、DX仲間であるJF2UPM北川さんの影響を受け、3.5MHzの逆Vアンテナを設置し運用を始めると一気にローバンドの魅力にとりつかれ、その後は1.8MHzの運用にも熱中した。「職場が近かったことも幸いして、シーズンの冬場には毎朝ローハンドを運用することができ、泥沼に腰までつかり抜けだせない状況となりました」と笑って話す。

その頃から村山さんはEmailやチャットを通して、世界中の160m愛好家と交流を深めていき、縁あってマレーシア在住の9M2AX田中さんを訪ね、160mの運用についての教えを乞うたという。それが初めての海外アマチュア局の訪問となったが、その次には、娘さんが留学していたカナダを訪れる機会に恵まれ、VA7KO、VA7BECの紀本夫妻や、VE7AHAアンディさんとアイボールQSOでき、お付き合いは今でも続いているという。

2017年4月に職場を定年退職した後は、よみうり海外1万局賞を目指して、それまでに収集したQSLカードを整理した。そして2018年11月についによみうり海外1万局賞を受賞した。なお国内1万局賞には、あと500枚ほどQSLが足りないので、せっせとQSOして日本の局のQSLカードを集めているところだという。


村山さんの現在のアンテナ群
14-50MHz 3エレSteppIR、7/10MHz RDP、3.5MHzスローパー、1.8MHz逆L

リタイア後は海外局の訪問も再開し、2018年にカナダにあるプリンスエドワード島にVY2ZM(K1ZM)ジェフさんを訪ねた。ジェフさんは北米東海岸屈指の1.8MHz帯のビッグガンとして有名で、氏とアイボールQSOするのは村山さんの夢であったが、それが叶った。また本年2019年10月には英国のマン島にMD0CCEボブさんを訪ねる予定である。

村山さんは、アマチュア無線を続けてきた最大のメリットとして、年代や仕事を超えて何十年もお付き合いしていただける仲間ができたことを挙げる。10年と少し前、仕事も忙しくなりローカルラグチューも少なくなってきたなと感じ、三重県内のDX仲間に相談して、月に一度「Mie DX Lovers Net」というオンエアミーティングを始めることにした。これは毎月第一土曜日の朝7時から約30分間、14.292MHz付近で毎回欠かさず開催し、すでに10年以上続いているので150回近い開催数になっているという。「このロールコールは三重県限定ではありませんので、聞こえましたら、お気軽にブレークください」と呼びかけている。

一方で村山さんは、大好きなアマチュア無線を災害時にも活かせるように「伊勢市アマチュア無線災害ネットワーク」に参加している。大地震などの災害に備えてすでに伊勢市と災害協定も結んでおり、有事の際には共に協力して情報の伝達などを担うという内容で、2019年6月現在85名の会員がいる。しかも半数以上の会員が伊勢地区医療関係者であり、有事の際には地域医療とも連携ができる関係にあるという。

最近村山さんは、島との交信数をカウントするIOTAの追っかけに燃えているが、将来の目標として、世界のアマチュア局との交流を深める一環としてロシア語を勉強し、SSBでロシアの局と情報交換すること、また国内の局とは高速和文電信でラグチューすることを掲げて、日々アマチュア無線を楽しんでいる。


伊勢神宮の内宮にて

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