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日本全国・移動運用記

第121回 岩手県北部移動(後編)

JO2ASQ 清水祐樹

2025年10月1日掲載

(前編の概要)

岩手県に存在する、陸地がわずかしか含まれない希少なグリッド・ロケーターのスクエアQM19での運用を目指しました。1日目は陸前高田市から運用を開始し、大槌町では伝搬のコンディションが上昇しました。2日目は釜石市と山田町で運用した後、目的地である宮古市QM19に到着。伝搬状態は不安定ながらもサテライトや1.9MHz帯などで多くの交信を記録しました。

8月10日(3日目) 宮古市から久慈市へ北上

宮古市で宿泊した翌朝、その北に隣接する下閉伊郡岩泉町まで約20kmを移動しました。海岸沿いは複雑な地形で広い空き地のような場所は見当たらず、川の堤防上に駐車スペースを見つけて運用しました。朝6時台では伝搬のコンディションが悪く、7MHz帯で国内局があまり聞こえなかったため、3.5MHz帯に出てみると調子が良く15QSOを記録しました。その後伝搬はやや上昇し28MHz帯でもQSOを記録しました。

続いて下閉伊郡田野畑村・下閉伊郡普代村・九戸郡野田村では、事前に調べておいた公園で運用しました(写真1)。田野畑村では7MHz帯の伝搬が悪く、このままパイルアップにならずに終了するかと思ったら、10MHz帯と14MHz帯が良くなり21MHz帯でも27QSOを記録しました。午後の普代村では伝搬のコンディションが低下し、18MHz帯以上はほとんど聞こえませんでした。夕方の野田村では7MHz帯が盛況で、日没の時刻が近づいてからの1.9/3.5MHz帯も順調に交信できました。


写真1 野田村での運用の様子

8月11日(4日目) 雨が降る中、久慈市から内陸部に向けて移動

久慈市では海岸近くの公園で運用を開始しました。伝搬のコンディションは前日の同時刻よりも低下した感じで、3.5MHz帯を多めに時間配分したところ、その後の7MHz帯で長時間のパイルアップになりました。途中で激しい雨に見舞われ、撤収時には雨で濡れてしまったものの、次の目的地である九戸郡洋野町に到着した頃には天気が回復しました。

洋野町からは18MHz帯から上の伝搬のコンディションが悪く、7から14MHz帯を中心に運用しました。軽米町は衛星のRS-44の時刻の都合で滞在時間が長めになりましたが、伝搬のコンディションは上がらず空振りCQが続きました(写真2)。夕方の九戸村では再び雨が激しくなったものの、ローバンドの伝搬は好調で多くのQSOを記録しました。


写真2 軽米町での運用の様子

8月12日(5日目) 二戸市から雫石町まで、高速道路も使って長距離移動

この地域は、各市町村の面積が広いため、1日4か所での運用といっても移動距離が長く、高速道路を利用しました。まず、二戸市の公園で、例によって3.5MHz帯から運用を開始し、14QSOを記録しました。ここまでは予想通りだったところが、この日は伝搬のコンディションが良くて各バンドで多くのQSOが進み、弱いEスポが発生して28MHz帯で16QSOできました。しかし、50MHz帯ではQSOできませんでした。

続いて、サテライトを運用するため八幡平市に移動しました。高速道路を使って44kmを移動する予定だったところ、二戸市の運用時間を予定より延長したため、目的地に到着する前に衛星が来てしまう状況で、やむなくパーキングエリアで臨時に運用しました。

するとここで本格的なEスポが発生しており、伝搬のコンディションが好調だったことからこの場所でHF帯も運用することにしました。7MHz帯から28MHz帯に順にQSYすると各バンドともパイルアップが続きました。その間にEスポは弱くなってしまい50MHz帯ではQSOできませんでした。Eスポの発生を察知した時点で最初から50MHz帯にチャレンジしていれば結果は違ったかもしれません。

午後からは滝沢市に移動し、2014年1月の市政施行時での運用で利用した河川敷で運用しました。伝搬のコンディションに午前ほどの勢いは無く、28MHz帯は1QSOに終わりました。岩手郡雫石町では7MHz帯が特に好調で、1.9MHz帯と3.5MHz帯も好調でした(写真3)。


写真3 雫石町での運用の様子

次ページは「6日目 盛岡市から一戸町での運用」

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